中庭を囲む家

 

中庭を囲む家

敷地は鹿児島市内の商業地域で、周辺には高層マンションが建ち並び、戸建住宅環境としては厳しい条件になっている。
1階に駐車場の空間を確保するために、1階のみを鉄骨造とし、2・3階を木構造とする混構造の型式で3層の建物とした。

施主のライフワークである茶道の指導者ということをふまえて、茶室をメインに、
そこから個々の生活空間を配置していくというプランにした。

茶室に欠かせない庭園をライトコートとして中央部分に設け、将来、
南側に高層建築ができたとしても採光・通風を確保できるようにしている。
その庭園に手水鉢や小さな切戸を設けて茶室のしつらいとし、スケールにあわせた植栽によって緑の空間が存在するように計画した。

外観として3層で和を表現するのは困難であったが、アプローチを露地空間としデッキの手摺や西日対策として
木格子を使用することによって、ややモダンな和が表現できたのではないかと思う。

高齢なご両親の訪問にも対応できるように、主玄関とは別にバリアフリーのサブエントランスを設け、
ホームエレベーターによる各階へのアプローチを容易にした。

2階リビングは片流れ屋根の勾配を利用した吹抜空間とし、蓄熱式床暖房により省エネルギーを計り、
無垢の木材をふんだんに使用している。

かごしま木造コンテスト2005 県知事賞受賞

 



D e t a i l

所在地:鹿児島県鹿児島市  用 途:住宅  敷地面積:148.18㎡(44.08坪)  延べ面積:217.23㎡(65.71坪)
構 造:木造3階一部鉄骨造  撮 影:株式会社アイオイ・プロフォート